2016/03/04

「常識にとらわれない100の講義」

常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)
森 博嗣
大和書房
売り上げランキング: 97,978
印象に残ったことばのだいたいの内容と、それにかんして思ったこと。

文系はデジタルだと感じる。僕の本の読み方はとてもアナログで、記憶もアナログなので本をかくときに言葉というデジタルに変換する。
よくどんな場面だったかはおぼえてなくても「ある一言」だけをしっかり覚えてる人がいるけど、ああいうのをデジタルだなーと思う

「どんな感じだったか」でさえ残ってない読書がよくあって、読んだことだけ覚えてるけどほぼ覚えていない、というのは果たして自分にとってよいことなのか…?と考える。
でも良い・悪いのための読書じゃないかもしれないし。
難しい本なんて読んだ瞬間からなんのことだったか忘れていくのは、文字をただ追っているだけなんだよね。アナログな記憶として残るように読むには。


自分が好きな考えじゃなくても正しいと思ったらそう書くし、自分のことを棚にあげてそうすべきだと思ったらそう書く。

客観的に見るというのがぜんぜんできていない…と身につまされているのだけど、「自分でできているわけじゃないけど、正しいと思う行い」をふつうに書くということも客観のひとつなんだ!ということに気づいた。「自分を棚に上げる」って客観的に見るのと同じくらい難しいかもしれない。


自分の嫌いな、苦手なものを自分でつくってみることで思い込みから自由になれる。みんな自分の好きじゃないことを「理解できない」のではなくそもそも「理解しようとしていない」のである。

正直いってまっっったくできない。嫌だなあと思う人に対して必ずぶち切れで対応してしまう、言い聞かせてはいるけど実践となると全敗しています。行動と感情を切り離す練習として、苦手なものを「理解しようとしてみる」ことがいいのかも。
なぜいらいらするのかさえもサラッと分析できるようになっちゃおう。


2016/03/02

今日も声が聞こえる

森博嗣さんのエッセイを爆読み中。「作家の収入」とか「科学的とは~」とかを経て、「つぶやきのクリーム」シリーズは3冊ほど読み、「100の講義」シリーズをhontoでまとめ買いしてそちらにうつっています。
なんどもなんども出てくるトピックほど繰り返しすり込まれていくからよく覚えている。

その中で「努力とかやる気とかそんなこといってるひまあったらとにかくやれ」みたいなのがあって、かなり耳が痛いので胸に何度もふかーく刻まれました。(ちなみに森博嗣さんは書いたことをまるっと覚えず抽象化してなんとなく記憶することを大変よしとする方です)
ちょうど忙しくなっているところで、普段の仕事+うちに持ち帰ってやるものがあるのですが
私は
「仕事をうちでやる」
というのが最悪にできなかったんです。

いつまでもだらだら怠けて最後に慌てるタイプ。フライヤーとかもそう。辛い。苦しい。みたいなことをちょっと前に書いてましたね!

破れる殻だろうか~デザインという苦痛~

今読み返してみるとなんかすごくかわいそうな奴だなと思います。そのときはすごく必死にのたうちまわりながら書いていたと思うんだけど、客観的にみるとちょっとうざいですね(笑)

でも森博嗣さんの言葉をよむたび
「好きなことやりましょう」
「時間が必要?つくりましょう」
「ないならなぜないのかを考えましょう。あのときやるべきことをやらずに怠けていましたね?」
「金もないなら何かを我慢して捻出することは必ず可能です」
「つまり自由に好きなことができないおまえはその努力をしていない」

という、圧倒的な勝利の方程式がでてくるわけです。
森さん自身が「子どものときは面倒くさがりでやりたくなさすぎることがあったので、仕方なく前もって準備だけするようになったら、しぶしぶでもやるようになった」というエピソードも添えて。

しぶしぶでもやる、やる気がでるのを待たずにやる、とにかくやれ、そしたらできてる

という地道な実践の積み重ねでしか、なりたい自分には近づけないよ、と。

こういうことは何万回もあらゆる本でみてきたんだけど、森さんのエッセイ群でようやく、ほんとうにようやく、腰をちょいあげるくらいまでこぎつけることができまました。

たとえば急いでる朝、たまってる食器みて「今すぐに少しやれば少し減る…ぜんぶじゃなくても少しでいいから…」とまるで森先生に見られてるかのように動いてみたり。
もういいや~ 今度やろ~と寝転がった瞬間も「少しやれば…」という声がきこえてくるんです。

まあでもいつも誘惑に完全勝利しているわけではなくて、負けるときもありますけど、勝率があがってきたかんじがします。
結局自分の運命を決めるのは今の自分の行動だけだものなあ

これからも感情に行動が邪魔されないよう、両者をわける訓練を続けていきます。

2016/02/29

ひとりヨガり

DVD付 心を整える リラックスおうちヨガ・プログラム (高橋書店 ヨガの本シリーズ)
サントーシマ香
高橋書店
売り上げランキング: 10,230

ヨガはじめました。
もちろん健康促進になれば嬉しいのですが、それよりもまず心のおもりになっている気持ちをポイッと捨ててしまいたい、というのが強くて、リラクゼーションを目的としたこちらの本を買ってみました。

アマゾンなんかでは「ゆるいポーズばかりで物足りなかった…」などの声があるんですが、私は始めて3日目あたりでわりとしっかり筋肉痛になりました。
ガーン。運動不足なの分かっていたけどここまでとは…これは継続的にヨガを続けないと早死にしてしまう!
あと普段、いかに姿勢が前のめりで胸を開いていないかが分かりました。そりゃ頭痛が頻繁に起こるし、生理痛も重いよなあ。

プログラムはストレス発散、気持ちを落ち着かせる、元気を得る、粘り強さを出す、お休み前の5つからなっていて、ウォーミングアップをやってから朝は元気出すやつ、夜はお休み前をやっています。
日によるんだけど、寝る前にヨガをやっておくと翌日の目覚めが良い気がする。目覚め方によって一日の過ごし方がかわるとおもうので、これはとてもプラスです。

そしてスペシャルプログラムとして、「20分間で数時間の睡眠に匹敵するリラックス効果」が得られるという、ヨガニードラも入っているのですが、この本で一番これが楽しみだったりしたのですが、開始3分までにいつも寝落ちしてしまいます…どんなに起きているときでもダメだ。ゴールまでいけるよう、トライし続けます。

まずは始めたばかりなので自己流でもいいかなとはおもうんだけど、気がつくと呼吸が浅かったり止まってることがあるのでその辺をインストラクターさんにちゃんと見てもらいたい。
通いやすいところにヨガスタジオないかしら。。。

躰を整えることをいまいちど意識しているこのごろです。

2015/11/15

マティアスとクッキー食べたい

飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)
ケストナー
光文社
売り上げランキング: 114,215
こちらの訳で読みましたよ。ドイツのギムナジウムというと思い浮かべるのは萩尾望都作品なわけですが、1933年に出版されたというこの本を読んでみたら、萩尾先生の描いた雰囲気とだいたい一緒だなあという印象。

「トーマの心臓」なんかを読むと、男同士で好きとか愛してるとか言い過ぎているのでは…と(萩尾さんがBL推しなのもあってw)おろおろしていたのですけど。やはり寮生活で毎日ともに過ごすからか、男の子たちの結びつきは本書でもとても密なものでありました。それは元寮生の「正義さん」と「禁煙さん」もそうで、一度強固に築いた友情はいつまでたっても残るものなのでしょう。禁煙さんが結婚しても正義さんは一緒に住み続けていたとか、なんなんだ?とは思うんですけど。

物語に出てくるのは主に5人。書くのが上手なジョニー、優等生で正義を重んじるマルティン、食いしん坊でボクサー志望のマティアス、チビで臆病なウーリ、そしてなんか賢くて良い奴のゼバスティアン。
クリスマスのパーティ用につくった劇の練習や、近くの学校の生徒との決闘など、毎日を全力でかけぬける感じが生き生きと描かれています。

それにしても嫌な奴が誰一人として出てこない!マティアスなんて、腕っ節が強い大柄なんだからジャイアンになってもいいものの、親友のウーリをしっかり気づかえる優しさを持っていますし。クッキーほしさにお金を借りたあとは、ちゃんと返すし。ジャイアンとの対比がますます……。
マルティンもクラス1優秀なのに、けんかとなれば加勢するし、他の子もガリ勉とかいっていじめるわけではないし。
ここではみんなそれぞれ個性が認められて、誰も優位に立つこともせず清々しい友情がはぐくまれている。なんて素敵なんでしょう。みんなキラキラしていて描写がまぶしいです。

子どももそうなら大人もみないい人。通称「正義さん」のベーク先生は、社会の厳しさを教えながらも子どもたちのことを真剣に考えてくれる、最高な人。そして禁煙車両だった客車を家にしてすんでいる世捨て人の「禁煙さん」は、正義さんとは違うジャンルの最高な人。正しいことは正義さんへ、正しいのかどうかよくわからないことは禁煙さんへ、それぞれ相談するわけです。うらやましい。

正義さんが5人と、下級生を監督する9年生のテオドールに向けて自分が教師になるいきさつを語るシーンはずるいです。本当に先生には一点の曇りもないので、下級生に対していばりちらしているテオドールくんもすっかり先生の気高さに感染してしまう。極めつけはマティアスの「あの先生のためなら、おれ、首くくられてもいいぜ」という一言。
理想の上司欠乏症の現代社会に現れてくれないかな、正義さん……。ずるい。

正義さんの過去のエピソードはケストナー自身の実話なことから、正義さんはおそらくケストナーの思いがめちゃくちゃ詰まっていることだろうと思います。
なにせ出版された年はドイツでナチが政権をとった年。さらにケストナーは著作を焚書されたりしていて、社会に対してずっとあらがっていた人だったそうで。まさに理想の上司から一番遠いところにいる人物に権力を奪われた時代。そのさなかに「素敵な大人たち」を描くのって、もうほとんど祈りに近いです。

ケストナーがすごいのはぜったいに逃げなかったところですね。亡命もしなかったようで、よく殺されなかったわ…。この本の前書きにも「災難にあっても、目をそらさないで。うまくいかないことがあっても、驚かないで。運が悪くても、しょんぼりしないで。元気を出して。打たれ強くならなくちゃ」と勢いよくかかれていて、美しいです。
悪いことがあってもそれを嘆いたって何かが変わるわけではないから、耐えなくてはと。厳しいけれど、一度耐えてみせれば半分勝ったようなもの。子どもたちに送る最高のエールだなあ。


ところでお気に入りの箇所は、失業してちょう貧乏なマルティンのお父さんとお母さんの会話のシーン。

「こんなことを運命が許すとはな。お金がないと、どんなにひどい思いをするのか、まだあんなに小さいのに思い知ることになるんだから。親がこんなに無能で、こんなに貧乏なのを、どうか責めないでほしい」
「馬鹿なこと言わないで」と、妻が言った。「なんでまたそんなふうに考えるの?マルティンはまだ小さいけど、有能であることとお金持ちでることがおなじじゃないことくらい、ちゃんとわかってるわよ」
そ、そうだそうだ!(万年貧乏のわたし)


2015/11/12

かわいい、辛い、かわいい

悪童日記 [DVD]
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アルバトロス (2015-03-04)
売り上げランキング: 6,704
ベストセラーにもなり、ファンが多い原作の映画化。本を読みたいなと思いつつも「ぜったい辛いやつや…」と踏み込めずにいたので、映画から観てみました。

辛いやつやった…

愛に包まれて育った双子が、戦争を機に田舎の祖母宅に疎開させられるお話。父からもらったノートに日記をかき、母との約束で勉強だけは続けながら、過酷な毎日を生き延びる双子が、残酷さに打ち勝つために「訓練」と称してお互いを傷つけ合ったり、自分たちで残酷なことをしてみたり…と救いが見えない映画です。戦争の混乱で正義なんてとうになくなっていて、周りの大人たちも醜さをさらけ出していて。

自分の弱い部分をひたすら殺していくことでしか耐えきれない日常の、なんとも冷たくて厳しいことか……。双子と同じく一瞬も気をゆるめることができません。友達ができたり、親切にしてもらうことがあっても、その人たちだって簡単に殺されてしまう。

教会で働くお姉さん意地悪でしたねー。おそらくナチス支持者だったのかな。あんな風に連れて行かれるユダヤ人の行列をおもしろげに眺める人々も実際にいたのでしょうね。その残酷な光景の中で彼女が食べてるパンがめっちゃおいしそうなのがまたね。そしてお姉さんめちゃくちゃ美人でもうね……!この映画は「かわいい」と「つらい」の葛藤がすさまじいです。

お母さんとの再会シーンは、お母さんって私が気づけなくて「このひと誰やねん…」て思ってしまった(笑) だってあまりにも双子がそっけないから……訓練を重ねた日々の代償として、親への愛情も失ってしまったのがここで分かるんですが、またお母さんも新しい男がいたりして、人って弱い生き物ね…とため息。

お父さんも訪ねてくれるんですが、もはや他人同士でしかないんですよね。お互い警戒しあっているし。実際に殺されたわけではなくても、つながりがなくなってしまえばその人を失ったにも等しいので、戦争のむごさが浮き彫りになります。お母さんに言われたとおり「勉強」はしてるのに。お父さんにもらったノートに日記だって書き続けているのに、約束だけが残って約束した人物とのつながりが消えるという。

最後の訓練は正直そこまでしなくてもいいじゃないかって思うほどですが、彼らが真の意味で大人になるには必要だったのかもしれません。「お互い離ればなれになるのが一番こたえた」と言うシーンもあるくらい、強く結ばれている二人が別れる痛み。とっても重たいです。


主役の双子さんは監督がハンガリー中を調べ回ってみつけた素人さんだそうですが、この美しさのおかげで映画がぎりぎり耐えきれるかな!って感じだったので、本当に良いキャスティングです。一ミリも人を信用していないあの目つき、素晴らしかった。

あと口の悪すぎるおばあちゃんもコロコロしててかわいかった~!たまに娘や孫を思いやる感情が垣間見えてほっこりしました。撮影の合間に双子となかよくやっていたのかなと思うと萌える…