2016/05/14

めまいといったら

風邪をひいた。いつもなら2日あれば余裕で治せるのだけど、今回は謎に5日かかりました。最初は熱とめまい、それがおさまると重たい頭痛が長引き、ようやく頭痛が消えかけた今は咳に苦しんでいます。

特に今回は頭痛がひどく、動けないほどではないけど座っていられない程度に痛かった。病院でもらう頓服を6時間すぎたらすぐ飲んで耐えましたなあ。

頭痛が長引くといつも思い出すのはE.M.フォースター作「インドへの道」に出てくるアデラ・クウェステッド。ひどいめまいに襲われる彼女はインド人の罪をでっちあげる。宗主国イギリスのインドへの偏見がめまいと化して襲いかかるわけです。そしてクライマックスで霧が晴れたようにめまいから解放された彼女は、すべての妄言を取り消す。そう、めまいに襲われている間は他人が許せなくなるんだよねって、そんな話ではない。

私がその作品を卒論に選んだのは、卒業論文くらいは自分と同じ時代に生きていない人の、あんまり娯楽要素のない作品を取り上げて四苦八苦するべきじゃないかと思い込んだせいだったりする。案の定何が面白いのかまったくわからぬ小説であったし、長かった。でもラストの締め方はかっこよかった。
結局コツコツ勉強する楽しみに出会うことなく適当に卒論を切り抜けたので、この作品を選んだ恩恵みたいなのはまったくないのだけど、
ひとつあげるならば頭痛やめまいがひどい時の体や頭の重さ等の説明に、アデラの症状がうってつけなことくらいかな。もちろん周りで読んでいる人は皆無なので、「今アデラ状態っす」なんて説明が通じることはない。ただ頭痛でのたうちまわるときにアデラを思い出すだけです。

あとお茶会(だっけ?)を企画しただけで借金が大変なことになるアジズ可哀相だったなあって……

卒論のときに買ったこの本は今でも本棚に置いてあるので
いつでもリベンジできます。さていつになるかしら。


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