2015/09/20

乱れ読み

最近、某市立図書館と某県立図書館のカードをつくったので図書館愛用しています。
久々に乱読しているかんじ。図書館だと、「興味関心に10000%あてはまっていない本」が気軽に手に取れるので本当にありがたいです。ありがとうありがとう。

日本の身体
日本の身体
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内田 樹
新潮社
売り上げランキング: 48,721
すごく久しぶりに内田先生関連の本を読んだ…昔から伝わる和の芸術なり武術なりスポーツの道をきわめる方々との対談本。まとめているのは橋本真理さん。橋本さんのまとめかた、ほんと芸術的というか、内田先生が自分でまとめたみたいなかんじ。
全員から伝わるのは「道の探求をとても楽しんでいる」ということ。職業にするのだから当たり前かもしれないけど、そのことをやり続ける中で自分の課題を解決するためにいろいろ試してきたんだろうなあという、「どこまでも自発的な態度」がひしひしと伝わってきて、読んでいて活気がわいてくるようでした。
また、彼らが今面白がっていることが元々自分のテーマではなかった、みたいなところも面白いです。楽しそうに変化していく人ってとっても輝いているんですね。
ふてくされてるともったいないってしみじみ思います。
ほんとに。
私のことなんですけど。
というのも今まで「探求してみたら楽しそうな習い事」をいくつかやってきていて
そのどれもを「言われたからやる」というしかたで雑に扱っていたからで……
楽器なら11年続けたピアノ。1年間だけ在籍したマーチング部のクラリネット。
昔は水泳だってやったしそろばんだってさせてもらったなあ。

学校の勉強だって常に「言われて」やるもので、テストのために学んでいるようなものでした。
自分で言われたことの他にやる、という学習スタイルは、そのときなは「え、そこまで自分で動かないといけないものなの?」ってめんどくさいものとしてしかとらえていませんでした。

言われてやると当たり前だけど上達しないんですよね!だからいつまでも練習そのものが楽しくならないし。マーチング部は私が集団行動になじめなさすぎて1,2年の大部分から疎ましく思われて辞めざるを得なかったかんじなんですが
なじめないなりに楽器の楽しさを追求できればよかった。クラなんてなかなか吹く機会ないのにー!初心者は息が入りまくった音しか出ないから、息の吹き込み方を研究してきれいな音がだせるようになりたかったな。今思うと。でもあのときは毎日苦痛でしたね。

というかんじで過去の回想を大量にやってしまう本でした。皆さんホントに背筋が通った方ばかりで素晴らしくて…専門にしていることの歴史背景を問われたときのすらすら答えている様がかっこよくて…!歴史から続く道があって、その先に自分がいる、という認識をしているんだなあと思いました。そして皆さん全体的にとても「しなやか」。良いお話をたくさん読めてよかったです。


原発と祈り 価値観再生道場 (ダ・ヴィンチブックス)
内田樹×名越康文×橋口いくよ
メディアファクトリー
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橋口いくよさん、スピリチュアル系女性の典型…?と不安になったけど、自分が信じていることを素直に「信じている」と言えるところが良いなあと思います。内田先生・名越先生としゃべるときにいかに素直でいられるかって結構難しいのではないかと。ついうっかり知ったかぶりしてしまいそうです。そして見透かされてしまいそう(笑)
一番おおお、と思ったところは「病の転化」についての話題。
「病」それじたいは人間が成長していく過程でかならず持ってしまうもので、それが同じ位置に居続けて凝り固まって「病気」として現れてくる。うまく転がしていけば「芸術的才能」に昇華する。
病気が治っても病が消えたわけじゃなくて、また別の場所へ転がり始めただけ。そしてまた別のなにかに変化するということ。

最近読む本はどれも「執着しすぎるな」ということを繰り返し叫んでいる気がします。鬱屈気味になるときも、頭痛が出てくるときも、なにかが淀んでいる気がしますものね。気でも病でもなんでも、停滞しないように流れをつくるのが大事なんだと思います。流れをクリアにする方法が、ここでは「祈り」となっていて、ヨガや仏教だと「瞑想」「呼吸法」になるのかなあと。

「病」それじたいは良くも悪くもないもので、変化に応じて良くなったり悪くなったりする、そのバランスを良くすることに気をつける。 というのを覚えておこうと思います!


頭をよくする私の方法―人の何倍も「頭」と「心」をつかいこなす秘訣
竹内 均
三笠書房
売り上げランキング: 292,337
さきにアイデアのつくり方を読んだら解説がこの方で、「方法論読むのも良いけど、きみたち実際にやりなよ?」というごもっともすぎる一言が気持ちよくて、図書館の書庫から引っ張りだしてきてもらいました。87年に出た本。
1.自分の好きなことをやり、2.それで飯が食え、3.それが他人から高く評価されることを「自己実現」とした著者がいかにやりたいことをやりまくる工夫をしてきたか、が詰まっています。
まだまだパソコンもご家庭に1台になるまえの、というかワープロが350万円した時代のライフハック本なので、方法がとっても力業!!PC1台で何でもできる現代人とは比べものにならない胆力、ダイナミックなエネルギーに惹かれました。かっこいい。

一番かっこいいのは「エンサイクロペディア・ブリタニカ」(1セット30巻くらいで30万だっけ?)を各職場・自宅に述べ5セットおいているところ。多くのご家庭では応接室に見栄的な目的で飾られていたであろう百科事典で先生は何でも調べ、仕事をした。知的権威の最高峰が百科事典だったころを私は知らないのですが、それを実際に使い込む姿はさぞかしかっこよかったんだろうなあと想像してしまいます。それも5セットて。約150万円。漢ですね。

膨大な量の仕事をしながら何百冊という本を書き、さらにはニュートン誌に毎月連載を書いていた先生の仕事術は「大変なことは分割し細切れにして、少しずつこなしていく」というもの。
15分間を最小のまとまりとしてそれで1つの「仕事の断片」をつくってしまう。その15分間は仕事全体のことを考えるのではなくて、こなすべき断片についてしっかり集中して取り組むこと。それを繰り返せばいつのまにか大きな仕事ができてしまっている、というわけです。
まさしくちりも積もれば…というやつ。さすが「やり方ばっかり学んでないでさっさとやらんかい」と叱咤するだけあります。目指すものがおおきい夢だとして、その大きさにひるむ暇があれば小さなことからとにかくやりなさいと。

予備校の学長などもなさっていたそうで、「やりたいことがわからない」という相談を受けることが多かったんでしょう。夢の見つけ方、やりたいことを仕事にする方法にも触れています。
自分のやりたいこと、テーマを見つける方法は
・仕事が遊びと一体化するまで仕事に打ち込む。
「人生における目標」という大きなものなんていきなり見つかるわけじゃないから、働き方を変えてみる、というわけです。これも「目標を見つける」という大きな仕事を小さな断片にわけて考えていますね。
・会社のためになり、かつ一生懸命にやってしまうくらい自分の趣味に適う仕事を選び出す。
総労働時間の中でやりたくないにも関わらずやらなくてはならない仕事をする時間を先生は「知的エンゲル係数」と名付けていて、それを極力少なくできる仕事をしなさいと。
えっ、そんなのあるんすか~と言いたくなるけど、曰く
探しものをするとき、「必ずある」と思って探すと見つかる。しかし「ここにはないよ」と思って探すと、案外見つからないものである。
「必ずある。ないはずがない」という信念を持って、自分の仕事を探してみることが大事である。
だそうで、反論の余地をあたえない力強さがここにも!
私も読んでしまったからには何かしないと頭をたたかれそうなので、ブログに感想をかいています。仕事も能動的に元気にしないともったいないですね。今や先生がうらやむデバイスたくさんあるもんね。時間を無駄にしないようにがんばろう私。


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